多くの人が気になるであろう「年収」
ただ業界によって平均の年収額は異なり、その差は最大で511万円にもなります。
今回は令和5年度の最新の情報を使って、業界別の平均年収の違いについて解説していきます。
ぜひご自身が勤める企業の業界の平均年収の理解や、今後転職する際の業界選定に役立ててください!
業界別 平均年収ランキング2024
国税庁が平均年収を公表した業種は14種。
- 建設業
- 製造業
- 卸売業、小売業
- 宿泊業、飲食サービス業
- 金融業、保険業
- 不動産業、物品賃貸業
- 運輸業、郵便業
- 電気・ガス・熱供給・水道業
- 情報通信業
- 学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業
- 医療、福祉
- 複合サービス事業
- サービス業
- 農林水産・鉱業
これらの業種から、平均給与が高い順にトップ5を紹介していきます。
平均給料・手当と平均賞与を足した額のこと。
1位は電気・ガス・熱供給・水道業
国税庁令和5年度民間給与実態統計調査において、一番平均年収が高かった業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」です。
その額775万円。
内訳としては、636万円が平均給与・手当にあたり、平均賞与は139万円という結果になりました。
電気・ガス・熱供給・水道業の給与階級の構成について
画像:国税庁「第8表 業種別及び給与階級別の総括表」より作成
電気・ガス・熱供給・水道業の中で、800万円を超える人が41.1%と他の業種と比べて圧倒的な数字を残しています。
専門的な知識を必要とするためか、年収が下がるほど全体に対する%は下がっていき、100万円以下は全体の0.5%、100万円から200万円は1.4%、200万円から300万円は3.0%となりました。
なぜここまで高額なのか
やはり国を支える「インフラ」のため、電気・ガス・熱供給・水道業は専門的な知識や高度な技術が要求されます。
そのため給与が高めに設定される傾向があると予想することができます。
また、インフラは国民の生活に直結するため、新しい技術の導入や良きに掛かるコストは非常に高く、それに関わる技術者の賃金も高くなるからではないでしょうか。
2位は金融業・保険業
令和5年度における業種別平均年収の第2位は、「金融業・保険業」です。
金融業・保険業の平均給与額は652万円。
503万円が平均給与・手当で、149万円が平均賞与という結果となりました。
金融業・保険業の給与階級の構成について
画像:国税庁「第8表 業種別及び給与階級別の総括表」より作成
金融業・保険業も一番多い層が800万円超の層(26.7%)で、500万円超の人で全体の半分を超える結果となりました。
また、1000万円超1500万円以下の人数も多く、金融業・保険業が全体で約70万人いる中で約17万人もいるという調査結果となりました。
金融業・保険業の平均年収が高額な理由とは?
金融業・保険業の平均年収が高額な理由としてまず考えられるのが、やはり高い専門知識です。
お客様のお金を動かして、利益を上げたり資産を守ったりする必要があるため、相応の知識が求められます。
また、投資会社や証券会社では個々のパフォーマンスに応じてボーナスやインセンティブを設けている企業もあり、高額な報酬を得る方が多いのも理由として考えらえます。
3位は情報通信業
令和5年度における業種別平均年収の第3位の業種は、「情報通信業」です。
情報通信業の平均給与額は649万円。
平均給与・手当は529万円で、120万円が平均賞与という結果となりました。
情報通信業の給与階級の構成について
画像:国税庁「第8表 業種別及び給与階級別の総括表」より作成
情報通信業も給与が800万円を超える人の割合が最も高く(24.4%)、500万円を超える人の割合は全体の半分以上いる、という調査結果になりました。
4位は学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業
令和5年度における業種別平均年収の業種第4位は、「学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業」です。
学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業の平均給与額は551万円。
451万円が平均給与・手当で、100万円が平均賞与という結果となりました。
給与階級の構成について
画像:国税庁「第8表 業種別及び給与階級別の総括表」より作成
学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業も、800万円超の人の割合は多く、全体の19.3%という調査結果となりました。
他の業種と異なるグラフの部分は、山の頂点が少し左にあるという点です。 頂点が左にあるということは全体的に給与が低いことを表していますが、1000万円超1500万円以下の部分が跳ね上がっていることからこの順位になったのだと思います。5位は建設業
令和5年度における業種別平均年収の業種第5位は、「建設業」です。
建設業の平均給与額は548万円。
467万円が平均給与・手当で、81万円が平均賞与という結果となりました。
建設業の給与階級の構成について
画像:国税庁「第8表 業種別及び給与階級別の総括表」より作成
建設業の内、400万円超500万円以下の階級が一番多く、19.3%となりました。
全体の細かい階級分布を見た時に、400万円超500万円以下を頂点として、綺麗に山を描くような分布となっているのが分かります。
6位以降の平均年収
6位以降の平均年収は以下の通りです。
6位:複合サービス事業(535万円)
7位:製造業(533万円)
8位:運輸業、郵便業(473万円)
9位:不動産業、物品賃貸業(469万円)
10位:医療、福祉(404万円)
11位:卸売業、小売業(387万円)
12位:サービス業(378万円)
13位:農林水産・鉱業(333万円)
14位:宿泊業、飲食サービス業(264万円)
唯一平均給与が300万円を下回った業種が、「宿泊業、飲食サービス業」となり、全14業種の中で最も低い結果となりました。
1位の電気・ガス・熱供給・水道業との差は551万円と、個人的にはこの数字に驚きました。
「宿泊業、飲食サービス業」が低いのには理由が
「宿泊業、飲食サービス業」の平均給与額が低いのは、低所得者の割合が他の業種に比べてとても多いためです。
「宿泊業、飲食サービス業」において、年間給与額が200万円以下の人は全体の約32%います。
他の業種は高くて20%程度のため、この数字はとても高いということが分かります。
業種の特徴上、アルバイトやパートの方が多いため平均給与額が下がってしまっていると考えることができます。
正社員だけを考えた時の業種別の平均給与額は、もう少し高いと考えてよさそうですね。
おわりに
今回の記事では、業種別の平均年収について、令和5年度の最新の症状を用いながら解説を行ってきました。
令和5年度の業種別、平均年収のトップ5は以下の通りになりました。
1位:電気・ガス・熱供給・水道業(775万円)
2位:金融業・保険業(652万円)
3位:情報通信業(649万円)
4位:学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業(551万円)
5位:建設業(548万円)
勤める業種によって、平均年収に大きく差があることをご理解いただけたと思います。
ぜひ、ご自身の所属する業種の平均年収の理解や、転職時の業種選定に役立ててみてください!